障害年金とは

「障害年金」ってなに?

年金というと、多くの人々が老後の生活を支える「老齢年金」を思い浮かべるのではないかと思いますが、年金には「老齢年金」以外に「障害年金」「遺族年金」という3つの種類の年金があります。

「障害年金」は、私たちが病気やけがなどによって「障害の状態」になったとき、生活を支えるものとして支給されます。

「障害の状態」とは、視覚障害や聴覚障害、肢体不自由などの障害だけでなく、長期療養が必要ながんや糖尿病、心疾患、呼吸器疾患などの内部疾患、または統合失調症などの精神の障害により、仕事や生活が著しく制限を受ける状態になったときなども含まれます。

また、障害者手帳を持っていない場合でも、障害年金を受けることができます。

障害年金は、20歳から65歳になるまでの「現役世代」の方が受け取ることができる制度です。

障害年金の対象となる傷病

障害年金は基本的に、ほとんどの病気やケガが対象となります。

眼や聴覚、肢体不自由などの外部障害のほか、うつ病や知的障害といった精神疾患、呼吸器、心疾患、糖尿病、癌などの内部障害も全て対象です。

重要なのは病名ではなく、その傷病により日常生活や仕事にどの程度の支障があるかがポイントです。

しかし、一部の傷病については、原則として障害年金の対象外とされています。

対象外とされている傷病は、以下のとおりです。

対象外とされている傷病

  • 神経症:パニック障害、強迫性障害、不安障害、解離性障害、適応障害、PTSDなど
  • 人格障害:境界性パーソナリティー障害、反社会性パーソナリティ障害など

POINNT!

神経症や人格障害の場合であっても、統合失調やうつ病のなどの精神障害の症状を併発している場合は、障害年金の対象となります。

障害年金がもらえる年齢

障害年金がもらえるのは、原則として、20歳から老齢年金がもらえる65歳になるまでの方です。

20歳の誕生日前日から申請が可能となり、原則、65歳の誕生日の前日までに申請する必要があります。

しかし、一定の要件を満たせば、65歳以降に障害年金の申請できるケースがあります。

障害年金の種類

障害年金には、障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金の3種類があります。

障害年金制度の仕組みは2階建て構造となっており、1階部分には「障害基礎年金」、2階部分には「障害厚生年金・障害共済年金」があります。

2階部分の障害厚生年金・障害共済年金を申請する場合は、同時に1階部分の障害基礎年金も申請する形となります。

3種類のうち、どちらの障害年金を受給できるのかは、申請する傷病の初診日に加入していた年金で決まります。

障害基礎年金

障害基礎年金の対象となるのは、初診日の時点で、国民年金または年金未加入の方です。

主な対象者は、次のとおりです。

  • 第1号被保険者:自営業者、フリーランス、学生、無職の方など
  • 第3号被保険者:第2号被保険者の扶養となっている配偶者
  • 年金未加入者:初診日が20歳よりも前のため年金未加入だった方

障害厚生年金

『障害厚生年金』の対象となるのは、初診日の時点で、厚生年金に加入していた方です。

主な対象者は、次のとおりです。

  • 第2号被保険者:会社員、会社役員など

障害共済年金

『障害共済年金』の対象となるのは、初診日時点で共済年金に加入していた方です。

主な対象者は、次のとおりです。

  • 第2号被保険者:地方公務員、国家公務員、私立学校の職員

年金制度の一元化について

共済年金は平成27年10月1日により、厚生年金に統一されました。(年金制度一元化)そのため一元化以降に初診日がある場合は、障害厚生年金を申請することになります。なお、平成27年9月30日以前に初診日がある方は、これまでどおり、各共済年金組合に申請します。(参照:日本年金機構)

障害等級とは

障害年金の「障害等級」とは、病気やケガによって日常生活や仕事に支障が生じた場合に、その障害の程度を1級、2級、3級の3段階で評価したものです。

等級が高いほど障害の程度が重いとされ、受け取れる年金額も多くなります。

障害等級の認定は、厚生労働省が定める「障害認定基準」に基づいて行われます。

これは、身体の各部位や臓器、精神の障害など、様々な障害の状態を詳細に規定し、それぞれの状態がどの等級に該当するかを定めたものです。

障害等級障害の程度
1級身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできないほどの障害の状態です。身の回りのことはかろうじてできるものの、それ以上の活動はできないかた(または行うことを制限されているかた)、入院や在宅介護を必要とし、活動の範囲がベッドの周辺に限られるようなかたが、1級に相当します。
2級身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるかまたは日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの障害です。例えば、家庭内で軽食をつくるなどの軽い活動はできてもそれ以上重い活動はできないかた(または行うことを制限されているかた)、入院や在宅で、活動の範囲が病院内・家屋内に限られるようなかたが2級に相当します。
3級労働が著しい制限を受けるか、または労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
労働が著しい制限を受ける、または、労働に著しい制限を加えることを必要とするような状態です。日常生活には、ほとんど支障はないが労働については制限があるかたが3級に相当します。
障害手当金傷病が治ったもので、労働が制限を受けるか、労働に制限を加えることを必要とする程度のもの

私は障害年金が受給できるの?

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